勘定科目の基本!費用編

損益計算書は、収益と費用の項目で構成されます。

そのうち前回は収益の勘定科目についてみてきました。

今日は費用の勘定科目についてみていきます。

 

費用に属する勘定科目

費用の勘定科目は種類が多いので、今日は代表的なものをみていきます。

費用の勘定科目は次のようなものです。

仕入・外注費・給料・交通費・水道光熱費・通信費・支払利息・売却損など

 

仕入とは商品や材料の購入代金です。

たとえば物を仕入れて、売る商売をしている場合、その物を仕入れるための代金は費用となります。

つまり売上をあげるために直接かかった費用です。

 

外注費は外部に業務を発注したときにかかる費用です。

たとえば製造業なら加工を依頼したときに支払う加工賃などが該当します。

 

給料は職員に対する人件費です。人件費は費用となります。

人件費には給料のほか、賞与や退職金などがあります。

 

交通費や水道光熱費、通信費といった経費は事業をしていく上で代表的な費用です。

この他にも事業に関係する経費は費用となります。

 

支払利息は、銀行借入などでお金を借りているときに発生する利息の支払いです。

事業に必要な借入金に伴うものなので費用となります。

 

売却損は、土地や建物、車といった資産を売って、損をしたときの費用です。

たとえば土地を持っていてその土地を売った場合、買ったときの値段より低く売ったときは、その差額分の損をすることになります。

この損をした分は費用となります。

(個人事業の場合、資産を売ったことにより発生した売却損は、譲渡所得として計算します。よって事業の仕訳は、売却損ではなく事業主勘定を使います。事業主勘定は純資産の項目となります。これらについてはまた後日ご紹介します。)

 

仕訳の例題

それでは上記の勘定科目が出てくる例題をみていきます。

(仕訳のルールの表です)

①資産増えた → 借方減った → 貸方
②負債増えた → 貸方減った → 借方
③純資産増えた → 貸方減った → 借方
④収益増えた → 貸方減った → 借方
⑤費用増えた → 借方減った → 貸方

 

 

①得意先に売るための商品を10万円で仕入れた。

10万円の商品を仕入れたため、10万円の仕入が発生します。

よって増えた仕入10万円を借方にもってきます。

 

借方金額貸方金額
仕入10万円現金10万円

 

(仮に仕入れた商品が売れずに期末まで残っていた場合、商品という資産の勘定科目に振り替えます。これらの処理についてはまた後日ご紹介します。)

 

 

②外注先に革製品の加工を依頼し、加工賃として20万円を支払った。

革製品の加工を外注したため、加工賃として20万円を支払いました。

よって20万円の外注費が発生します。

増えた外注費20万円を借方にもってきます。

 

借方金額貸方金額
外注費20万円現金20万円

 

 

③月末にアルバイト代として8万円を支給した。

働いてくれたアルバイトに8万円の給料を払いました。

よって給料8万円を借方にもってきます。

 

借方金額貸方金額
給料8万円普通預金8万円

 

 

④事務所の電気代3万円を支払った。

事務所の電気代3万円を支払ったため、水道光熱費3万円が発生します。

よって、増えた水道光熱費3万円を借方にもってきます。

 

借方金額貸方金額
水道光熱費3万円現金3万円

 

 

⑤500万円の借入金に対する利息1万円が月末に引き落とされた。

借入金に対する今月分の利息1万円を支払いました。

よって支払利息として借方にもってきます。

 

借方金額貸方金額
支払利息1万円普通預金1万円

 

 

⑥1,000万円で買った土地を使わなくなったため、700万円で売ることにした。

1,000万円の土地を700万円で売ったため、差額の300万円を損しました。

この300万円は費用となります。

土地の売却損の場合、勘定科目は固定資産売却損などを使います。

仕訳は、現預金と土地と売却損の3つの勘定科目が発生します。

現預金と土地は資産の項目です。売却損は費用の項目です。

現預金は700万円増えました。よって増えた現預金700万円を借方にもってきます。

土地は1,000万円減りました。よって減った土地1,000万円を貸方にもってきます。

差額の売却益300万円は費用が増えたので、借方にもってきます。

 

借方金額貸方金額
普通預金700万円土地1,000万円
固定資産売却損300万円  

 

 

まとめ

今日は、費用に属する勘定科目についてみてきました。

費用の勘定科目は種類が多く、当記事でご紹介したものはほんの一部です。

他にも減価償却費といった支出を伴わない費用など特殊な論点もあります。

これらについてはまた別の機会にご紹介します。

 

次回は5つの項目のうち純資産についてみていきます。

 

 

※この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。

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