勘定科目の基本!収益編

前回まで資産と負債に属する勘定科目についてみてきました。

今回は収益についてどのような勘定科目があるのかみていきます。

 

収益に属する勘定科目 

収益に属する勘定科目はおもに次のようなものです。

売上・受取利息・雑収入・売却益など

 

収益といえば、やはり売上がすぐに思いつくと思います。

売上はおもに営業により得た収入です。

 

受取利息は銀行に預けたことにより得た利息分の収入です。

また他の人や他の会社にお金を貸したことより得た利息分の収入も含まれます。ただし事業に対するものに限ります。

(銀行からの預金利息は、個人事業の場合、事業の収入ではなく利子所得となります。よって事業における仕訳は、受取利息とせず事業主勘定を使います。事業主勘定は純資産に属する勘定科目です。これらについてはまた後日ご紹介します。)

 

 

雑収入は、営業以外で得たその他の収入です。

例えば補助金や助成金などがあります。

またどの勘定科目に該当するかよくわからない営業外の収入も雑収入とすることが多いです。

 

 

売却益は、持っている資産を売却して得した場合の収益です。

たとえば土地を持っていてその土地を売った場合、その土地が買ったときの金額より高く売れたときは、その差額分の金額を得したことになり、売却益となります。

(個人事業の場合、株や土地建物、車といった資産を売ったときは、売却益にせず譲渡所得になります。よって事業における仕訳は売却益とせずに、事業主勘定を使います。)

 

仕訳の例題

それでは上記の勘定科目が出てくる例題をいくつかみてみましょう。

(仕訳のルールの表です)

①資産 増えた → 借方 減った → 貸方
②負債 増えた → 貸方 減った → 借方
③純資産 増えた → 貸方 減った → 借方
④収益 増えた → 貸方 減った → 借方
⑤費用 増えた → 借方 減った → 貸方

 

 

①商品を得意先に販売して、10万円を売り上げた。

商品が10万円で売れたので、10万円の売上がたちます。

よって、増えた売上10万円を貸方にもってきます。

 

借方 金額 貸方 金額
現金 10万円 売上 10万円

 

 

②会社の普通預金口座に利息が100円振り込まれていた。

銀行に預けていたお金に対して、利息100円がつきました。

よって受取利息100円を計上します。

増えた受取利息100円を貸方にもってきます。

 

借方 金額 貸方 金額
普通預金 100円 受取利息 100円

 

(正確には利息はあらかじめ税金が引かれて入金されます。よって、仕訳を作成するときは、税金分を考慮することになりますが、ここでは話をわかりやすくするため、入金額=受取利息として処理をしています。この利息収入の仕訳については、また別の機会にご紹介します。)

 

 

③職員を雇ったことより、ハローワークから助成金10万円が振り込まれた。

ハローワークの助成金は営業外の収入なので、基本的に雑収入とすることが多いです。

よって、増えた雑収入10万円を貸方にもってきます。

 

借方 金額 貸方 金額
普通預金 10万円 雑収入 10万円

 

 

④会社で保有していた土地を使わなくなったため、売ることにした。当時500万円で買った土地が600万円で売れた。

500万円で買った土地が600万円で売れました。よって差額の100万円を得したことになります。

この100万円は収益となります。

土地の売却益の場合、勘定科目は固定資産売却益などを使います。

仕訳は、現預金と土地と売却益の3つの勘定科目が発生します。

現預金と土地は資産の項目です。売却益は収益の項目です。

現預金は600万円増えました。よって増えた現預金600万円を借方にもってきます。

土地は500万円減りました。よって減った土地500万円を貸方にもってきます。

差額の売却益100万円は収益が増えたので、貸方にもってきます。

 

借方 金額 貸方 金額
普通預金 600万円 土地 500万円
    固定資産売却益 100万円

 

 

まとめ

今日は5つの項目のうち収益について勘定科目をみてきました。

当記事でご紹介したものは基本的なものになります。

その他にも収益になる収入はあります。特殊なものについては、また別の機会にご紹介します。

次回は費用の項目についてみていきます。