預金利息の入金があったときの仕訳処理は?

銀行などの金融機関から預金利息を受け取った場合、仕訳はどうなるのでしょう?

この預金利息に関しては、法人と個人事業では取り扱いが異なります。

今日はそれぞれの仕訳について見ていきましょう。

 

法人

まずは法人の処理です。

法人の場合、預金利息を受け取った時は、「受取利息」という勘定科目を使います。

例えば100円の預金利息の入金があった場合、仕訳は以下のようになります。

借方 金額 貸方 金額
普通預金 100円 受取利息 100円

 

ただし、上記の仕訳は税金を考慮していません。

預金利息はあらかじめ15.315%の税金が引かれて振り込まれています。よってこの15.315%の税金を考慮して仕訳を作成することが正しい処理となります。

例えば上記のように100円が振り込まれていた場合、税金を考慮した仕訳は次のようになります。

借方 金額 貸方 金額
普通預金 100円 受取利息 118円
租税公課 18円

 

受取利息118円に対して15.315%の税金18円が引かれて100円が振り込まれていることになります。

通常この税金の金額は、銀行からの通知書などに記載されているのでそのとおりに処理すればよいのですが、届いていなかったり失くしたりして金額がわからない場合は、入金額から逆算して計算しても構いません。

その場合の計算式は次のようになります。

①受取利息の金額=入金額÷(1-15.315%)
②税金の金額=受取利息の金額*15.315%

 

先ほどの入金額が100円の場合、上記の式で計算すると、

①受取利息の金額 100÷(1-15.315%)=118(円未満切捨)
②税金の金額   118*15.315%=18円(円未満切捨)

となります。

 

個人事業

個人事業の場合、預金利息は「事業主借」で処理します。

仕訳は以下のようになります。

借方 金額 貸方 金額
普通預金 100円 事業主借 100円

 

これは預金利息は事業上の所得とならないからです。

預金利息は所得税法上、利子所得に区分されます。

個人の税金である所得税は、所得の種類によって10種類に分けられています。預金利息は利子所得と定義されています。

よって事業上の収入科目である「受取利息」にせず、事業主に対する貸借勘定である「事業主借」を使って処理します。

(預金利息は事業主個人に対するものなので、事業からみると事業主から借りていることと同じことになりますのでこのような処理になります)

 

まとめ

今日は預金利息の仕訳処理について見てきました。

預金利息は法人と個人事業で取り扱いが異なります。

法人では税金の仕訳、個人事業では誤って受取利息などの収入にあげてしまうことがないように注意しましょう。