損益計算書とはその会社の1年間の利益を計算したものです。
決算日といってその会社の締め日を3月31日に決めると、その1年間の計算期間は原則4月1日から(翌年)3月31日となります。
その1年間の計算期間に発生した売上や経費を集計して作成します。
その損益計算書の大きな特徴としては、5つの利益を計算するところです。
今日はその5つの利益の特徴をそれぞれ見ていきます。
損益計算書における5つの利益
損益計算書とは次のような表です。
損益計算書では上から順番に次の5つの利益が計算されます。
(肌色で表示されているところです。)
①売上総利益
②営業利益
③経常利益
④税引前利益
⑤当期純利益
損益計算書をわかりやすく見るポイントは上から下へ順番に見ていくことです。
それでは上から順番に見ていきましょう
売上総利益
売上総利益は粗利益とも言われます。
売上総利益はその売上を得るために直接かかった原価を引いて算出します。
例えば商品を80万円で仕入れて、その商品を100万円で売った場合、売上総利益は20万円となります。
売上総利益はその会社の商品力と言えます。
この商品力が高ければ高いほど、効率的に利益を得ることができます。
営業利益
営業利益は、売上総利益から事業で発生した経費を引いて算出します。
先程の例だと、商品を売るために人件費や水道光熱費などの経費が15万円かかった場合、売上総利益の20万円から15万円をひいた5万円が営業利益になります。
営業利益はその会社が事業で稼いだ利益のことです。
営業利益をみることで、その会社の事業が儲かってるかどうかわかります。
経常利益
経常利益は、営業利益に継続的に発生する事業外の収入や支出をプラスマイナスして算出します。
事業外の収入とは預金することで得る受取利息などです。
受取利息は事業で得たものではないですが、継続的に発生する会社の収入です。
反対に事業外の支出とは、銀行の借金に対する支払利息などです。
こちらも直接事業でかかった支出ではないですが、経常的に発生する会社の支出です。
経常利益は、経常的に発生する収入や支出だけで算出するので、その会社の1年間の経常的な利益を見ることができます。
税引前利益
税引前利益は、経常利益に臨時で発生した収入と支出をプラスマイナスして算出します。
例えばその会社が持っている不動産が値上がりして、その不動産を売った場合、その値上がり分の利益を会社は得ることができます。
また反対に会社が持っている不動産が値下がりして、ただお金がないので仕方なく売った場合、その値下がり分を会社は損したことになります。
上記の不動産の例は経常的に発生するものではなく、その年に臨時で発生したものです。
この臨時で発生したものを経常利益にプラスマイナスして税引前利益を算出します。
税引前利益は経常的なものだけでなく、臨時で発生したものも含めるので、税金をかける前の最終利益となります。
当期純利益
当期純利益は、税引前利益から税金を引いて算出します。
税金は法人税等といって税引前利益を基準にして計算されます。
(厳密にいうと、税引前利益を税法基準に調整して計算します。)
当期純利益はその年のその会社の最終利益となります。
まとめ
今日は損益計算書の5つの利益についてみてきました。
それぞれの利益の特徴を正確に理解することで会社の経営状態を分析できます。
5つの利益を意識して損益計算書を見てみてください。
よりその会社の経営状態のことがわかると思います。