消費税の会計処理には税抜方式と税込方式があります。
どちらを選択しても良いです。
ただ選択して良いと言ってもどちらを選んだほうがよいか、よくわからない方もいらっしゃると思います。
そこで今日は消費税の税抜方式と税込方式のそれぞれのメリットとデメリットについてご紹介したいと思います。
基本的な処理についてはこちらの記事に書いています
正しい数字は税抜方式
正しい数字を把握できるのは、税抜方式です。
消費税はあくまでも預かっている税金です。
例えば税込みで108円の売上をあげた場合、あくまでも売上は100円です。8円は預かった消費税なので、消費者に代わって国に納めます。
税抜方式の場合は売上100円としますが、税込方式の場合は売上108円として、8円は消費税として費用処理します。よって結果は100円となり同じなのですが、売上の金額は変わってきます。これは消費税が発生する仕入などの他の取引でも同じです。
正しい数字を把握したい場合は、税抜方式をオススメします。
簡単なのは税込方式
仕訳を切る上で簡単なのは税込方式です。
税込方式は取引金額をそのまま仕訳しますが、税抜方式は取引金額を本体部分と消費税に分けなくてはなりません。
先ほどの例でいいますと、税込みで売上108円をあげた場合、
税込方式の仕訳は、
現金108円/売上108円
と1本の仕訳ですが、
税抜方式の仕訳は、
現金108円/売上100円
/仮受消費税8円
と2本の仕訳になります。
ただし今は会計ソフトを使って会計処理をすることがほとんどだと思いますので、このような税抜方式の仕訳処理は自動的にしてくれます。よって仕訳が増えることのデメリットはないです。
しかし仮受消費税や仮払消費税という科目は増えるのでその分は煩雑といえます。
また取引が発生する度に、消費税の区分を正確に分けたほうが良いのは税抜方式です。
税抜方式は消費税の区分を間違ってしまうと、その分本体の金額も変わってしまいます。各取引金額はもちろんのこと、最終の利益にも影響してきます。
期中の取引はある程度の正確性にしておいて、最後に見直すこともできるのですが、せっかく正しい数字を把握できる税抜方式でしているのにもったいないです。
税込方式の場合は、間違ったとしても本体の金額は変わりません。また期中に消費税の見積額を計上するとしてもあくまでも見積もりなので概算の数字です。期中の取引については税抜方式ほど気にしなくても良いと思います。
まとめ
今日は消費税の税抜方式と税込方式の違いについてみてきました。
正しい数字を把握するなら税抜方式。ある程度の概算の数字でも良いというのなら税込方式でも良いと思います。
またこの他に明確にメリットデメリットが出てくる項目がいくつかあります。
次の記事でそれぞれご紹介します。