儲けているのに、なぜかお金が減っているという経験をされた方もいると思います。
それは利益の計算と資金の増減の考え方が違うからです。
今日は利益が出ているのに資金が減る主な原因についてご紹介します。
借入金の返済
借入金の返済がある場合、その返済分の資金が減ります。
特に儲けた金額が借入金の返済に足りていない場合は、利益が出ているのに資金は減ることになります。
例えば月に100万円儲けたとしても、その月の借入金の返済が150万円だった場合、単純計算で50万円足りません。よって手元資金が50万円減ることになります。
これは100万円の利益の計算に借入金の返済額は経費として入っていないからです。借入金の増減は利益の計算には入りません。借入れをしたときも収入として計上しません。
よって借入金の返済がある場合はその返済分の資金が利益から減ることになります。
未収金の回収
利益の計算は、あくまでも発生主義です。発生主義は資金の増減に関係なく、売上は実現したとき、例えば商品を売ったときなどに売上を認識します。
一方、資金の増減は現金主義です。現預金が実際に動いたときに認識します。
よってこの認識するタイミングの違いにより利益が出たのにお金が減るということが起こります。
例えばある月に50万円を売り上げたが、入金はその翌月だった場合、その月をみれば利益はプラス50万円ですが、資金はプラスされません。資金がプラスされるのは翌月です。よってその売り上げた月については50万円の利益は増えたが資金は増えてないことになります。
未払金の支払
上記の未収金の回収と同じ考えです。認識するタイミングの違いが原因です。
例えばある月に物も何も買わずまたサービスも受けなかった場合、経費はゼロです。利益には影響ありません。ただ前月に受けたサービスの経費が20万円あり、それが未払いのままで当月に支払った場合、その20万円分の資金は当月に減ります。よって利益には影響ありませんが、資金は20万円減ることになります。
10万円以上の資産を買った場合
10万円以上の資金を買った場合、その全額はその買った月の経費になりません。耐用年数という期間で按分することになります。例えば80万円の資産を買って10年で按分した場合、その買った月の経費は80万円÷10年=8万円となります。一方、資金は買った月に80万円減ります。この差額の72万円分は利益より資金が減ったことになります。
まとめ
今日は利益が出てるのになぜお金が減るのかを見てきました。
本記事に書いたのは主な一例です。他にも要因はあります。
この利益の計算と資金の増減の違いがよくわかるのが間接法のキャッシュフロー計算書です。
キャッシュフロー計算書は貸借対照表と損益計算書に並ぶ重要な書類です。
また別の記事でご紹介したいと思います。