税務調査というと一般的にあまり良い印象はないですよね。
税金がきちんと納めているか調べにくるのですから、あまり気持ちが良いものではないはずです。
わたしは税理士なので、仕事上、何度か税務調査に立ち会っています。
それではこの税務調査、実際はどんなかたちで行われるのでしょうか?
今日は税務調査について、どのようなで形で税務調査が入るのかまたその税務調査は断ることができるのかについてご紹介します。
税務調査とは
税務調査とは、簡単にいうと、納税者が計算した税金の金額が正しいのかを調査することです。
日本は法人税や所得税といった税金については、自分で計算して納めるという申告納税方式を採用しています。
自分で税金を計算して申告するので、計算が間違ってしまうケースもあるかもしれません。そこで国の機関である税務署などが正しい計算ができているかをチェックしにきます。仮に間違っていれば、正しい金額に修正します。
また税務調査という税金の計算をチェックする機能がなければ、意図的に税金を減らして申告するかもしれません。そういったことがないように税務調査は抑止力にもなっています。
税務調査の連絡
それでは税務調査はどうような形で入るのでしょうか?突然税務署が来て調査を始めるのでしょうか?
よほどの悪質なケースを除いて税務署が突然来て調査を始めることはありません。(一部の現金商売は抜き打ちで調査に来ることがありますが、それも強制調査ではありません。仕事の都合上、対応できない場合は、日を改めてもらうことができます。)
通常は、いつ何時税務調査をしたいと、管轄する税務署から事前に連絡があります。また顧問税理士をつけている場合は、その顧問税理士に連絡が入ることが一般的です。
その連絡のとき、以下の項目を確認します。
- 日時
- 場所
- 調査官の人数
- 調査する税金
- 調査する年度
- 用意するものなど
事業の規模にもよりますが、中小企業や個人事業主の場合、
- 調査日 2日又は3日
- 場所 会社の事務所
- 調査する税金 法人税(または所得税)、消費税、源泉所得税
- 調査する年度 過去3年間
- 用意するもの 決算書、総勘定元帳、証憑書類など
といったケースが多いです。
税務調査は断れる?
税務調査の連絡はありましたが、この税務調査は断ることができるのでしょうか?
通常税務調査は、悪質なケースを除き任意調査です。ただし原則断ることはできません。それは質問検査権という調査権を国税側は持っているからです。この権利がある以上、税務調査を断ることはできません。
ただし任意調査の場合は、日程を変更してもらうことはできます。任意調査の場合、あくまで調査は納税者の仕事に支障をきたさない範囲で行わなければならないからです。仕事の関係で都合が悪ければ日程を変更してもらいましょう。
まとめ
今日は税務調査について、どのようなで形で税務調査が入るのかまたその税務調査は断ることができるのかについてみてきました。
通常税務調査は、事前に税務署から連絡があります。
この税務調査は原則断ることはできません。ただし日程を調整することは可能です。
連絡事項をしっかり確認して税務調査の日まで準備しましょう。