仕訳は勘定科目を使って作成します。
その勘定科目は次の5つのどれかに属します。
- 資産
- 負債
- 純資産
- 収益
- 費用
今日はこの5つのうち負債についてどのような勘定科目があるのかみていきます。
負債となる勘定科目
負債は基本的に借金のように返済する義務のあるものです。
主な勘定科目は次のようなものです。
買掛金・未払金・借入金・預り金・前受金など
買掛金と未払金は、物を買ったりサービスを受けたときのまだ支払いが済んでいない代金のことをいいます。
よって支払う義務があるため負債となります。
買掛金は、仕入により発生した代金のうち未払のもの、未払金は仕入以外の費用により発生した代金のうち未払のものをいいます。
借入金は、負債としてイメージしやすいと思います。
お金を借りた状態なので返済義務が生じます。
よって負債となります。
預り金は、他人から預かったお金です。
他人に代わって支払うために預かっている場合は、いずれその預かったお金で支払いをしないといけません。
また保証金のように一定期間預かっている場合は、いずれ返さないといけません。
よって預り金は負債となります。
前受金は、物やサービスを提供するときに、事前にいただくお金です。
物やサービスを提供したときに売上に計上しますが、それまでは預かっていることと同じなので、預り金と同じく負債となります。
仕訳の例題
それでは上記の勘定科目が出てくる仕訳の例題をみてみましょう。
(仕訳のルールの表です)
①資産 | 増えた → 借方 | 減った → 貸方 |
②負債 | 増えた → 貸方 | 減った → 借方 |
③純資産 | 増えた → 貸方 | 減った → 借方 |
④収益 | 増えた → 貸方 | 減った → 借方 |
⑤費用 | 増えた → 借方 | 減った → 貸方 |
①商品を仕入れた。支払いは翌月末払いである。
商品を仕入れたが代金の5万円は翌月払いなので支払いはまだです。
よって買掛金5万円が発生します。
増えた買掛金5万円を貸方にもってきます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
仕入 | 5万円 | 買掛金 | 5万円 |
②前月買ったパソコン10万円の代金を今月末に支払った。
前月の時点では未払だったので未払金10万円が負債に計上されています。
それを今月末に払ったので未払金が10万円減りました。
減った未払金10万円を借方にもってきます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
未払金 | 10万円 | 現金 | 10万円 |
③銀行から500万円の融資を受けた。
銀行から資金を500万円借りました。
よって借入金500万円が増えます。
増えた借入金500万円を貸方にもってきます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
普通預金 | 500万円 | 借入金 | 500万円 |
④職員から預かっていた住民税3万円の支払いをした。
事前に職員から預かっていた住民税を代わりに支払いました。
よって3万円の預り金が減ることになります。
減った預り金3万円を貸方にもってきます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
預り金 | 3万円 | 現金 | 3万円 |
⑤セミナーを開催する予定である。代金1万円は前もっていただいた。
セミナーを開催する前に、参加料1万円を前もっていただきました。
よって前受金となります。
増えた前受金1万円を貸方にもってきます。
借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
普通預金 | 1万円 | 前受金 | 1万円 |
まとめ
今日は5つの項目のうち負債に属する勘定科目についてみてきました。
当記事でご紹介したものは基本的なものとなります。
これ以外にも引当金など特殊な論点もあります。
これらについてはまた後日にご紹介していきます。
前回と合わせて資産、負債と見てきました。
次は貸借対照表を構成する残りの項目である純資産を見たいところですが、純資産は少しややこしいので最後に回します。
次回は損益計算書を構成する収益の項目についてみていきます。