iDeCoは金額面でどれくらいお得なのか計算してみました

2017年1月より、原則ほぼ全ての人が加入することができるようになった個人型確定拠出年金、通称iDeCo。

税金面で様々なメリットがあります。

実際にどれくらい金額面でメリットがあるのか計算してみました。

確定拠出年金

Tumisu / Pixabay

 

iDeCoのメリットとデメリット

iDeCoには次のメリットとデメリットがあります。

 

(1)メリット

①掛け金の全額が所得控除できる

②運用益が非課税

③受け取り時、税制上優遇あり

 

(2)デメリット

①60歳まで引き出せない

②管理手数料がかかる

 

iDeCoのメリットは何と言っても、税金面です。

掛け金全額が所得控除されるので毎年の所得税と住民税が軽減されます。

また掛け金で積み立てた金額を運用することで得た利益に対しても非課税です。

そして積み立てた金額を受け取る時も、退職所得控除や公的年金等控除が適用され税金面で優遇されます。

 

デメリットは何と言っても60歳まで引き出せないことです。

預貯金や株式または投資信託などでしたら、通常いつでも引き出せますし、現金化できますが、iDeCoは60歳までできません。

またiDeCoには管理手数料がかかります。

管理手数料には、初回手数料と毎月発生する月額手数料の2つがあります。

 

それでは税金軽減額と管理手数料を比較してどのくらい金額面でお得になるのか計算してみます。

 

計算してみると

計算がわかりやすくなるように、iDeCo加入に関して次の前提条件で計算します。

 

(前提)

・40歳から60歳まで20年間加入

・毎月の掛け金は10,000円

・60歳まで給与所得などの収入がある

・所得税の税率は5%(最低税率。復興特別所得税は考慮しない)、住民税の税率は10%

・運用商品は定期預金(信託報酬はなし)

・運用益は考慮しない。(商品が定期預金なので運用益はほとんどないとみます)

・管理手数料は、初回手数料が2,777円、月額手数料が167円(取扱金融機関の中で最安値)

・取扱金融機関を変更しない

・60歳の時、積立金を一時金としてまとめて受け取る

 

iDeCo加入でどれくらいお得になるかは次の計算式で算出します。

 

①掛け金による税金軽減額 ー ②受け取り時にかかる税金 ー ③管理手数料 = お得となる金額

 

それでは順番に計算していきます。

 

 

①掛け金による税金軽減額

まず毎年の税金軽減額ですが、掛け金の金額に税率分(所得税と住民税の合計)が軽減されるので、

計算式は次のようになります。

 

毎月の掛け金 * 12ヶ月 * (所得税の税率+住民税の税率)= 税金軽減額

 

金額を当てはめると

10,000円 * 12ヶ月 *(5%+10%)=18,000円

となります。

 

毎年18,000円の税金が安くなります。

加入期間は20年間なので、20年をかけると

18,000円*20年=360,000円

となります。

 

掛け金の税金軽減額はトータルで360,000円となりました。

 

 

②受け取り時にかかる税金

毎月10,000円を定期預金として積み立てしているので、20年間の積立額は、

10,000円*12ヶ月*20年=2,400,000円

となります。

 

2,400,000円を一時金として受け取るので、税務上は退職金扱いになります。

詳細な説明は省きますが、退職金は退職所得控除という控除があります。

もし退職金の金額が退職所得控除の枠内であれば、税金はかかりません。

退職所得控除の金額は、加入期間1年につき、400,000円となります。

加入期間は20年間なので、退職所得控除の金額は

400,000円*20年=8,000,000円となります。

よって

一時金2,400,000円<控除8,000,000円

となり、受け取り時に税金はかかりません。

 

受け取り時にかかる税金は0となります。

 

 

③管理手数料

毎年の管理手数料は

167円*12ヶ月=2,004円

となります。

加入期間が20年なので、初回手数料をプラスした管理手数料はトータルで、

2,777円+(167円*12ヶ月*20年)= 42,857円

となります。

 

 

①と②と③の数字が出たので、計算式にあてはめると、

 

(①掛け金による税金軽減額 ー ②受け取り時にかかる税金 ー ③管理手数料 = お得となる金額)

360,000円 ー 0 ー 42,857円 = 317,143円

 

となります。

 

この前提条件で計算すると、iDeCoで毎年10,000円を積み立てると、20年間で317,143円のお得となりました。

 

運用商品としてはどうか

上記の計算結果での、1年間の利回りを計算してみました。

 

毎月10,000円、1年間で120,000円の掛け金で、

1年間の税金軽減額は18,000円。

1年間の管理手数料は2,004円。

1年間の利益は、

18,000円ー2,004円=15,996円

となります。

 

120,000円を投資して15,996円の利益を得たことになります。

よって1年間の利回りは、15,996円 ÷ 120,000円 = 13.3%となります。

通常の商品で年利回り13.3%を出すのは至難の技だと思います。

この数字だけをみると、かなりお得な商品と言えるでしょう。

ただし原則60歳まで引き出せませんが。

 

まとめ

本記事の前提条件で計算すると、iDeCoは金額面でかなりお得な結果となりました。

しかも、掛け金の金額、所得税の税率などによってはもっとお得になることもあります。

ただし、運用商品によっては積み立てた金額が、元本割れする可能性もあります。

また、同時期に会社から退職金を受け取るなどのことがあれば一時金の受け取り時に税金がかかることもあります。

iDeCoは、加入者の所得、掛け金の金額、加入期間、運用商品、取扱金融機関、受け取り時の状況、受け取り方法の選択によって変わってきます。

(詳細は、また別の記事でご紹介したいと思います)

 

基本的にiDeCoはお得な制度といえますが、加入する場合はご自身にあった最適な方法を選択しましょう。

 

※この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。

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