経理を初めてする方は、日々の会計帳簿をどのようにつけて良いかわからない方も多いと思います。
また現在経理をされている方でも、日々の取引を会計ソフトに入力すると、ほとんどの会計帳簿は自動的に作成できてしまいますので、決算書や確定申告書が作成されるまでの全体の流れまでをきちんと把握できていない方もいらっしゃると思います。
そこで、今日は会計処理の全体像を理解するため、一般的な会計帳簿から毎月の試算表や決算書、確定申告書の作成までの一連の流れをご紹介します。
会計帳簿作成の一連の流れ
個人事業または法人で事業をする場合、その事業で発生した取引を会計帳簿に記録していきます。
この取引の記録から、最終的に決算書、確定申告書を作成します。
会計帳簿作成の一般的な流れは次のとおりです。
①発生した取引の仕訳を切る(伝票又は仕訳日記帳)
↓
②仕訳を科目ごとに集計する(総勘定元帳)
↓
③集計した科目から毎月の試算表を作成する(月次試算表)
↓
④決算時に決算仕訳を切る(伝票・仕訳日記帳)
↓
⑤決算書を作成する(決算書)
↓
⑥決算書から税務署に提出する確定申告書を作成する(確定申告書)
この①から⑥の全てを作成するのは大変です。
ただし会計ソフトがあれば、①の仕訳を会計ソフトに入力すると、②③は自動的に作成されます。
また決算時に④の仕訳を入力すると、⑤のうち貸借対照表や損益計算書などの書類は自動的に作成されます。
つまり会計ソフトに①と④の仕訳さえ正しく登録できれば、①から⑥は作成できたものと同じです。
(④⑤⑥は別途専門的な知識が必要です。ご自身や自社ですることも可能ですが、難しい場合は専門家である税理士に頼むことになります。)
月次試算表までの作成を例題でみてみよう
上記の①〜③はご自身又は自社で行うことも多いと思いますので、①〜③の流れを具体的な数字で確認してみたいと思います。
例題
50,000円のパソコンを現金で購入
①次の仕訳を起票(伝票又は仕訳日記帳)
消耗品費50,000円 / 現金50,000円
②総勘定元帳に集計
①の仕訳を科目ごとに総勘定元帳に転記します
③月次試算表作成
総勘定元帳から月次試算表に転記します。
取引が発生する度にこの①〜③の処理を行い、毎月の成績表である月次試算表を作成します。
まとめ
会計ソフトがあれば、取引の仕訳さえ正しく登録できれば、ほとんどの会計帳簿は作成できます。
よって仕訳を正しく切ることはもちろん重要です。
ただ仕訳を切るだけでは会計処理の全体像は見えてきません。
仕訳を切ることでその仕訳をした数字が、どの会計帳簿のどの箇所に集計されて、最終的に決算書や申告書作成にどう繋がっていくのか知っておくことは、会計処理を行う上でまた事業の数字を理解する上で重要です。