資金繰り表を作成しました。必要性と作成方法をご紹介します。

税理士として本格的な独立に向けて準備を進めています。

その準備の中でも、最重要として位置づけているのが、事業計画書と資金繰り表の作成です。

前回は事業計画書についてご紹介しました。

今日は資金繰り表について、その必要性と作成方法についてご紹介します。

 

前回の事業計画書についての記事はこちらです

独立後の事業計画書を作成。必要性と作成方法をご紹介します

資金繰り表

hamiltonleen / Pixabay

 

資金繰り表の必要性

私が作成した資金繰り表は、独立後の資金の増減がどうなっていくかを予想した表です。

あくまで予想の数字ですが、この資金繰り表はとても重要です。

資金は万が一なくなってしまうと破産してしまいます。

特に独立当初は売上もなく資金は減っていく一方だと思います。いつまでなら資金がもつのか把握しておくことは必須です。

また個人事業主やフリーランスの場合、事業も家計も資金に関しては同じ財布の側面があります。

よって事業で資金を生み出せないとなると家計に大打撃です。

家計費を含めたリスクに対応するため、家計費も考慮した資金繰り表を作成することをオススメします。

 

資金繰り表の作成方法

資金繰り表は単独で作成しても良いのですが、事業計画書を作成している場合、その事業計画書の利益から資金繰り表を作成するほうが効率的です。

私は、事業計画書と連動する資金繰り表を1年間と5年間のものを作成しました。

1年間は月単位で、5年間は年単位の資金繰り表です。

 

資金繰り表の具体的な作成方法ですが、まず事業計画書の最終利益からスタートします。

最終利益にその利益には反映されていない資金の増減額を調整していきます。

この調整をすることで、利益ベースからの資金繰り表を作成できます。

調整が必要な項目は、おもに次のようなものが挙げられます。

  • 借入金
  • 資産の購入
  • 減価償却費
  • 税金の支払い

 

各項目の詳細についてはまた別の記事でご紹介しますが、これらの項目によって利益と資金の金額がズレます。

上記以外にも、売上に計上した時期と入金のタイミングの違いなどにより利益と資金がズレることもあります。ただ大きなズレでない場合は、そこまでは調整しなくても良いと思います。

私の場合は、資産を購入する予定もなくまたそれによる減価償却費もありません。また売上や経費の計上時期と売上の入金や経費の支払いのタイミングとの大きなズレもありません。よって今回は借入金と税金の支払い分だけを調整しました。

借入金については、私は独立と同時期に銀行に融資を申し込むつもりです。蓄えが全くないというわけでもないのですが、開業当初は借りれるチャンスも高いです。借りれるときに借りておこうと思います。

 

良ければこちらもどうぞ

➡️開業時に融資を受けるべきか

 

税金の支払いは、事業利益に対してかかる所得税や住民税の納税です。それぞれ概算の税率をかけて計算しています。

 

この利益と資金の調整をしたあと、次は家計費を計算します。

毎月の家計費を予想して、上記の調整後の金額から引きます。

(反対に事業以外からの入金がある場合は、その金額をプラスします)

このような順序で作成していき、資金繰り表を完成させます。

 

出来上がった資金繰り表ですが、見るべきポイントは大きく2つあります。

1つ目は、事業計画書と同じく、損益分岐点を確認しておくことです。

この場合の損益分岐点は、家計費も考慮した資金の収支のほうが良いです。毎月の資金の収支がマイナスからプラスになるときの売上の金額を確認しておくと良いでしょう。

2つ目は、万が一売上が最低の金額(ゼロの場合も含む)のまま上がってこない場合、いつまで資金がもつのかを確認しておくことです。

最悪のシュミレーションを想定しておくことは、リスク管理上重要です。

 

資金繰り表の活用方法

作成した資金繰り表ですが、事業計画書と同じく、作成してこれで終わりではありません。

毎月の実績値と比較することが大事です。

実績値が予想値と違っていた場合、その原因を追求して改善につなげることができます。

また予想していた家計費の金額が継続的に変わるようだと、それを修正することで、将来の予想値が正確なものに近づいていきます。よって将来へのリスク管理につながります。

 

まとめ

今日は資金繰り表についてご紹介しました。

事業計画書と資金繰り表は事業をしていく上でとても重要です。常にチェックして、現状の分析や将来のリスク管理に活用しましょう。