収益性と安全性は表裏一体?ROEと自己資本比率の関係についてご紹介します

収益性を分析するときの代表的な指標であるROE。自己資本利益率といいます。

平たくいいますと、自分が投資したお金でいくら利益を上げたかをみるものです。

例えばお金を100万円投資して、10万円儲かったらROEは10%となります。

 

このROEですが、借入金をうまく使って利益を増やすと、数値が上がります。

ただし、借入金を増やしすぎると今度は自己資本比率が下がり、財務の安全性が損なわれます。

今日は、このROEと自己資本比率の基本的な関係についてご紹介します。

 

 

ROE(自己資本利益率)

ROEは自己投資した金額でいくらリターンがあったのかをみるものです。

計算式は、利益/自己資本です。

 

例えば、100万円の自己投資で、利益10万円のリターンがあったとします。

この場合のROEは、10万円/100万円=10%となります。

 

ここでもし追加で100万円を投資すれば、同じく10万円の利益を得れるとした場合、100万円を借りてきて投資すれば更に10万円の利益を得ることができます。

この場合、利益は合計で20万円となりますので、ROEは20万円/100万円=20%となります。

ROEは先ほどの2倍となりました。収益性は上がったことになります。

 

 

自己資本比率

借入金をうまく使うことでROEは上がりましたが、財務の安全性ではどうでしょう。

財務の安全性をみる指標で代表的なものは自己資本比率です。

自己資本比率は、どのくらい自己資本で持っている資産が構成されているのかをみる指標です。

計算式は、自己資本/総資産です。

数値が高いほど、自己資本の割合は多いことになるので、安全性は高いことになります。

 

自己資本100万円のみを使って利益が10万円のケースは、ROEは10%です。

ただし保有している資産は全て自己資本ということになりますので、自己資本比率は100%となります。

利益10

 

借入金100万円を追加して利益を20万円稼いだときは、ROEは20%です。

ただし、資産の半分は借入金で構成されているので、自己資本比率は50%となります。

利益20

 

借入金を使って利益を増やした場合は、ROEはよくなりましたが、借入金を増やした分、自己資本比率は下がりました。

 

 

まとめ

今日は、ROEと自己資本比率について基本的な関係についてご紹介しました。

借入金をうまく使って利益をあげることを財務レバレッジを効かすといいます。

ただし財務レバレッジを効かす目的で借入金を増やしすぎると今度は返済負担が増えて、財務に支障をきたします。

このあたりのバランスが重要です。

当記事ではわかりやすくするため、自己資本比率が100%や50%でしたが、実際はその他の負債などもあるため、それらを下回ることもあります。

財務レバレッジを効かしてROEを改善することは、財務の安全性と表裏一体の関係にあるということを覚えておきましょう。

 

 

※この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。

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