銀行から借入をするとき、利息がかかります。
この利息の計算は、借入額に何パーセントという金利をかけて計算します。
よって金利によって支払う利息は変わってきます。
この利息を計算する金利は表面金利といいます。
またこの表面金利とは別に実質金利というものがあります。
今日はこの実質金利の考え方や計算方法についてご紹介します。
表面金利と実質金利
表面金利は、借入額に対する利息を計算するときに使います。
たとえば、借入金1,000万円、表面金利2%の場合、
年間の利息は、
1,000万円*2%=20万円
となります。
《注意》
実際は、毎月一定額を返済しているので、借入金の残高は減少していきます。
よって、借入金残高を基準として計算する毎月の利息も減っていきます。
本記事では話をわかりやすくするため毎月の返済については考慮せずに利息を計算をしています。
通常、銀行融資の金利はこの表面金利のことをいいます。
それでは実質金利とはどういったものなのでしょうか?
実質金利とは、実質の借入額に対する金利のことを指します。
実質の借入額は、ある銀行から借入をしていて、その銀行に定期預金などの預金をしている場合、借入額から預金を引いた金額となります。
たとえば1,000万円の借入をしていても300万円の定期預金をしていたら、実質自由に使えるお金は1,000万円ー300万円の700万円となります。
自由に使えるお金は700万円ですが、利息は借入額1,000万円に対して計算されます。
よって計算した利息を自由に使える700万円に対するものと考えると、実質の金利は表面金利より高くなります。
実質金利の計算方法
それでは実質金利の計算方法をみていきましょう。
まず計算式ですが以下となります。
実質金利=(借入利息ー預金利息)/(借入額ー預金額)*100%
具体例のほうがわかりやすいので、以下の例題でみていきます。
A銀行借入額 1,000万円 表面金利 2%
A銀行定期預金 300万円 預金金利 0.1%
A銀行普通預金 100万円(※1) 預金金利 「なし」(※2)
(※1)毎月の平均残高
(※2)少額なので計算をわかりやすくするため「なし」としています。
借入金は1,000万円
預金額は300万円+100万円=400万円
借入利息は1,000万円*2%=20万円
預金利息は300万円*0.1%=3,000円
上記の数字を計算式に当てはめると、実質金利は
(20万円ー3,000円)/(1,000万円ー400万円)*100% = 3.2833…%
となります。
表面金利の2%とはかなり違います。
実質金利を把握しておこう
借入をしている銀行から定期預金のお願いや普通預金の残高の増加をお願いされることがあります。
銀行からすると、いざというときの借入金の担保にもなるし、実質金利を上げることで銀行の収益である利息を増やすことができます。
よって借りる側としては、銀行交渉をする上で、この実質金利の考え方や計算方法は覚えておいたほうが良いでしょう。
特に複数の銀行と取引している場合は、表面金利が低くても、実質金利を計算すると他の銀行の金利より高いケースもあります。
各銀行ごとに実質金利を把握した上で金利や追加融資などの銀行交渉に臨みましょう。
まとめ
今日は実質金利の考え方や計算方法をみてきました。
定期預金などをした場合、表面金利が低くても実質金利が高くなるケースがあります。
借入している各銀行ごとに表面金利と実質金利はきちんと把握しておきましょう。