ふるさと納税の返礼品は一時所得になる、少し前は、競馬の当選金は一時所得それとも雑所得になるかで争われた裁判など、一時所得について耳にする機会が増えました。
今日はこの一時所得についてみていきます。
一時所得とは
個人の所得を対象にした税金である所得税は、担税力の違いにより10種類の区分に分けられます。
(担税力とは、税金の負担能力のことをいいます)
一時所得はこの10種類の区分のうちの一つです。
一時所得に該当するものは主に以下のものです。
- 生命保険契約等に基づく一時金
- 懸賞の賞金、福引きの当せん金
- ふるさと納税の返礼品など
計算式
一時所得は一時的なものなので、継続的な所得である事業所得といった他の所得よりも担税力が低いとされています。
よって計算方法も他の所得に比べて税金負担が少なくなるようになっています。
一時所得は、
総収入金額ー支出した金額ー特別控除額
の計算式で求めます。
特別控除額は最大で50万円です。
一時所得は50万円までは税金がかからないというのは、この特別控除額があるからです。
そして税金の対象となる課税所得はここからさらに1/2を掛けて計算します。
一時所得がマイナスになった場合
もし一時所得がマイナスになった場合はどうなるのでしょうか?
まず一時所得がマイナスというのは、特別控除額を引く前の数字です。
先ほどの計算式でいうと、
総収入金額ー支出した金額
の時点でマイナスの場合です。
特別控除額の50万円は利益が出た部分しか引けません。
例えば、総収入金額が100万円、支出した金額が70万円の場合、
100万円ー70万円ー30万円=0
となり、特別控除額は50万円ではなく30万円となります。
よって特別控除額によってマイナスになることはありません。
話を少し戻して、一時所得がマイナスの場合はどうなるのでしょうか?
一時所得がマイナスの場合は、他の所得との損益通算はできません。
よって給与所得などの他の所得があっても損益通算をできないので、他の所得が減ることはありません。
ただし一時所得の内部通算はできます。
例えば同じ年に2つの生命保険金の満期金があった場合
一つはプラスが出てもう一方はマイナスの場合は、損益を通算できます。
例えば次のようなケースの場合
①A生命保険
収入金額200万円 支出した金額100万円
プラス100万円
②B生命保険
収入金額70万円 支出した金額100万円
マイナス30万円
この場合、一時所得の計算は次のようになります。
(200万円+70万円)ー(100万円+100万円)ー50万円=20万円
一時所得の金額は20万円となり、
さらにこの金額に1/2を掛けます。
よって課税の対象となる金額は20万円*1/2=10万円となります。
このようにA生命保険とB生命保険を通算して一時所得を計算します。
まとめ
今日は一時所得の計算についてみてきました。
一時所得は計算は、特別控除額50万円を引いたあとに1/2をします。
またマイナスの場合、他の所得との損益通算はできませんが、一時所得内の内部通算はできます。
間違えないように気をつけましょう。