所得税の税率は累進課税。所得が高いほど税率は高くなる。


所得税の税率は一律何%ではありません。

所得が高いほど、税率も高くなります。

累進課税制度といいます。

今日は所得税の累進課税制度についてみていきます。

所得税

geralt / Pixabay

 

課税対象となる所得金額

まず税率をかける課税対象となる所得金額ですが、こちらの金額になります。

確定申告書

この金額に対して税率をかけます。

所得税はこの金額を基準にして税率が変わります。

 

所得税の税率

所得税の税率は次のとおりです。

195万円以下           5%

195万円超330万円以下     10%

330万円超695万円以下     20%

695万円超900万円以下     23%

900万円超1,800万円以下   33%

1,800万円超4,000万円以下 40%

 

課税対象となる所得金額によって税率が違います。

 

所得税の計算

所得税の計算でたまに誤解されていることが、その対象となる金額全体にその税率が適用されるということです。

累進課税はあくまでもこの金額まではこの税率、それ以上の金額については次の税率を適用して計算をします。

 

ちょっと例題を見てみましょう

 

課税対象となる金額が800万円の場合

 

①195万円までは5%

195万円*5%=97,500円

 

②195万円から330万円までは10%

(330万円ー195万円)*10%=135,000円

 

③330万円から695万円までは20%

(695万円ー330万円)*20%=730,000円

 

④695万円から800万円までは23%

(800万円ー695万円)*23%=241,500円

 

①から④を合計すると

1,204,000円となります。

 

こうして計算した金額からさらに「税額控除額」を引いてその年の所得税額が決まります。

前払いしていた「源泉所得税」や「予定納税額」がある場合は、それらの金額を控除した後の金額が確定申告時に納める税金となります。(復興特別所得税を加算します)

 

また国税庁のホームページに載っている次の表は、例題でみた計算を一本化した速算表となっています。

所得税率

 

計算してみると例題で計算した税金と一緒になります。

800万円*23%ー636,000円=1,204,000円

実際に計算するときは、こちらの速算表を使うと便利です。

 

まとめ

今日は所得税の累進課税について見てきました。

段階的に税率は上がりますが、全ての金額に対してその税率が適用されるのではありません。

あくまでも各段階を超えた部分のみ次の段階の税率が適用されます。

 

もう一度税率を見てみます。

 

195万円以下           5%

195万円超330万円以下     10%

330万円超695万円以下     20%

695万円超900万円以下     23%

900万円超1,800万円以下   33%

1,800万円超4,000万円以下 40%

 

上記の税率のうち、

195万円以下は5%

195万円超330万円以下は10%

です。

その差は5%です。

330万円を超えると10%も上がってしまいます。

 

また

330万円超695万円以下は20%

695万円超900万円以下は23%

です。

その差は3%だけです。

つまり330万円超から900万円以下の間は最大でも3%しか差がないです。

900万円を超えると10%も上がってしまいます。

 

330万円以下までは10%、900万円以下までは23%の税率でいけます。

 

所得を調整するのは難しいかもしれませんが、330万円と900万円という数字は意識しておくと良いと思います。

(目安の金額はあくまでも課税対象となる金額です。給料などの収入金額ではありません)

 

※この記事は、投稿日現在における情報・法令等に基づいて作成しております。

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